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サッカー動画分析ソフトの使い方:DrawTacticsで試合映像を分析する方法

試合映像には課題の答えが映っています。ただ、映像をそのまま流すだけでは、その答えはなかなか伝わりません。失点シーンを5回見返したコーチは「センターバックが不用意に前へ出た」と気づきますが、1回だけ見た選手の目に残るのは、ゴールに入ったボールだけです。描き込みのない映像は、ただの映像にすぎません。良いサッカー動画分析ソフトがあれば、肝心の場面で映像を止め、効いていたスペースや動き出しを示し、見る人の視線をそこへ誘導できます。

DrawTacticsの動画分析は、Mac・Windows(Windows版はベータ版)向けのデスクトップアプリになりました。試合映像を取り込み、映像に描き込み(テレストレーション)を入れ、選んだ選手を追跡し、フリーズフレームの解説シーンを作って、チームミーティング用の注釈付きMP4を書き出せます。DrawTacticsのメンバーシップ(月額£5.99または年額£47.99)に含まれており、動画分析だけ別に契約する必要はありません。アプリは現在ベータ版で、トラッキング精度やパフォーマンスは引き続き改善中です。インストールせずに短いクリップへ簡単なメモを入れたいだけなら、手軽な簡易版としてブラウザ版の動画分析ツールも引き続き使えます(記事の後半で紹介します)。

フリーズフレームと戦術描き込みツールを備えたサッカー動画分析の画面
フリーズフレームに描き込みを入れると、振り返りミーティングで戦術的なポイントを説明しやすくなります。

映像を流すだけでは伝わらない理由

選手はコーチと同じ目線で試合映像を見ているわけではありません。コーチが見ているのは、プレスのスイッチが入る瞬間、パスコース、押し上げる最終ラインです。一方、選手が見ているのはボール、ゴール、そして結果です。この差を埋めるには、ひと手間が必要です。ちょうどの瞬間で映像を止め、消すべきだったスペースに矢印を引き、落ちるべきだった選手を目立たせる。それだけで伝わり方が変わります。

iMovieやCapCutのような一般的な動画編集ソフトでも、クリップのカットやテキストの追加はできます。ただ、選手にマーカーを付けたりチームの形を見せたりといった、サッカー向けの機能はありません。HudlやWyscoutのような本格的な分析プラットフォームははるかに多機能ですが、専任アナリストのいるクラブ向けの価格と作りになっています。多くの指導者に必要なのはその中間です。ひとつの指導ポイントをしっかり伝えられるだけのわかりやすさと、練習の合間にさっと使える手軽さです。

始める前に用意するもの

  • パソコン:macOS 14以降のAppleシリコン搭載Mac、またはWindows 10・11(x64)のパソコン(Windows版はベータ版)。
  • 試合映像:H.264またはHEVCでエンコードされたMP4・MOVファイル。読み込めるかどうかは拡張子だけでなくコーデックにもよるため、取り込めないファイルは再エンコードが必要な場合があります。
  • メンバーシップ:デスクトップアプリは、DrawTacticsの月額プラン・年額プランにブラウザ版ツールと一緒に含まれています。無料トライアルはありません。
  • インターネット接続:ログインとメンバーシップの確認に必要です。映像の処理そのものはお使いのパソコン上で行われ、映像はパソコン内のプロジェクトフォルダに保存されます。

デスクトップアプリで試合映像を分析する手順

1. 映像を取り込む

デスクトップアプリでプロジェクトを作り、分析したい試合映像を取り込みます。説明したい局面までシークバーで移動しましょう。映像と分析内容はひとつのプロジェクトとして保存されるので、あとから続きの作業をしたり、手直ししたり、別の相手向けにもうひとつのバージョンを作ったりできます。

2. 映像に描き込む(テレストレーション)

テレストレーションとは、映像の上に重ねて描き込むことです。デスクトップアプリでは、矢印、ゾーン(エリアの強調)、テキスト、選手スポットライトが使えます。パスの選択肢、狙うべきスペース、守備ブロックの形を見せるのに使いましょう。画面いっぱいにグラフィックを並べるより、矢印1本とゾーン1つのほうが伝わることがほとんどです。ひとつの場面には、選手に覚えてほしいポイントをひとつだけ載せるのがコツです。

3. 選んだ選手を追跡する

動いている中でこそ意味がわかるプレーには、選手トラッキングを使います。局面の始まりで一時停止し、追いかけたい選手にマーカーを置いて、追跡時間を選びます。映像を再生すると、マーカーがその選手を追いかけます。追跡しているマーカー同士をラインでつなげば、4バックや中盤の3枚といった選手同士の関係を示せます。ラインは選手と一緒に動くので、一連のプレーの中で距離感や陣形がどう変わるかが見えます。

追跡結果は必ず確認してください。選手同士の交差、ほかの選手に体が隠れる場面、カメラの切り替わりなどで、マーカーがずれることがあります。ずれたら、その場面で一時停止し、マーカーを選手の位置に戻して、そこから先の追跡時間を決め、Continue tracking from here(ここから追跡を再開)を使います。それ以前の追跡はそのまま残り、以降の軌跡だけが置き換わります。書き出す前に、一連のプレーを最初から最後までチェックしておきましょう。

4. フリーズフレームの解説シーンを作る

ここぞという瞬間で映像を止め、その場面を中心にフリーズフレームのシーンを作ります。止めたフレームに描き込みを配置し、解説を画面に表示しておく時間を決めます。ちょっとした合図なら短めに、細かく説明したいなら長めに。最後に、静止画から再びプレーが動き出すまでの流れをプレビューして、クリップが自然につながるか確認します。

5. プレビュー、切り取り、書き出し

注釈を入れた一連の映像をプレビューし、タイミング、フリーズフレーム、描き込みを確認します。切り取り範囲を決めたら、映像H.264・音声AACのMP4で書き出します。そのまま選手や視聴者に共有できる形です。追跡マーカーや戦術グラフィックも書き出した動画に含まれます。

デスクトップ版の流れを見る

映像を取り込み、プレーに描き込み、カギになる選手を追跡して、注釈付きMP4を書き出せます。DrawTacticsのメンバーシップでご利用いただけます。

デスクトップ版の動画分析を見る →

サッカー動画分析の活用シーン

指導者向け:個人とチームの成長に

ボランチにプレスのタイミングを教えたいなら、相手センターバックが自陣ゴール方向を向いてボールを受けた瞬間で映像を止めます。自チームの選手にスポットライトを当て、狙う相手へ矢印を引き、「スイッチ:相手が背中向き」とテキストを添えます。選手は合図、タイミング、取るべき行動をひとつのクリップで確認できます。

守備の課題なら、4バックを局面全体で追跡し、マーカー同士をラインでつなぎます。再生すると、ラインが間延びしたり、悪いタイミングで押し上げたりする様子がはっきり見えます。ギャップが生まれた瞬間で止めてゾーンを強調すれば、言葉での説明はほとんどいりません。

チームミーティングでは、ひとつのパターンに絞った短い注釈付きクリップを数本用意しておきましょう。相手が中央からどうビルドアップしてくるか、サイドチェンジのあとにどこにスペースが空くか、どこでプレスのスイッチを入れるか。言葉だけで説明するより、映像で見せたほうが選手の理解は早くなりやすいものです。

アナリスト向け:戦術の分析映像づくりに

戦術的なパターン、選手の役割、チームの形を強調したクリップを作れます。対戦相手のスカウティングなら、ボール保持時に3バックから4バックへ移行する瞬間で止め、そのきっかけを描き込み、コーチングスタッフに想定すべきことを示せます。

ラインでつないだ追跡マーカーは、ユニットの形がボールの位置に応じてどう変わるかを見せてくれます。矢印でオフ・ザ・ボールの動きをたどり、ゾーンで突かれているスペースを強調できます。処理はローカルで行われるので、作業中も映像はお使いのパソコンの中にあります。

コンテンツ制作者向け:わかりやすい解説動画に

解説のないゴールクリップは、すぐにスクロールで流されてしまいます。同じクリップでも、3人目の動きを示す矢印、ウイングの動きで生まれたスペースを示すゾーン、プレスのスイッチを説明する短いテキストがあれば、ぐっと見やすくなります。書き出しでは必要な部分だけに切り取り、1本のクリップはビルドアップ、前進、チャンスメイクのようにひとつの局面に絞りましょう。

連動する選手の動きと一連のプレーの流れを示す戦術ビジュアル
動きのビジュアルを使えば、1枚の静止画ではなく、一連のプレーの理屈まで伝えられます。

インストールしたくないときは:ブラウザ版の動画ツール

いつものパソコンが手元にないときは、ブラウザ版の動画分析ツールで、インストールなしにクリップへ簡単な注釈を入れられます。本格的な分析ではなく、手軽なメモ用の簡易版という位置づけです。

  • 最大2分までのMP4・MOV・AVIクリップをアップロードできます。
  • 選手マーカー、矢印、図形、テキストを使い、タイミングを指定したフリーズフレーム注釈を追加できます。
  • マーカーの接続方法は、Chain(チェーン:1→2→3と順につなぐ)、Mesh(メッシュ:すべてを相互につなぐ)、Circles only(円のみ)から選べます。
  • 短いクリップ向けの簡易トラッキング機能があります。
  • 720pまたは1080p、30fpsで書き出せます。ファイル形式はSafariではMP4、ChromeやFirefoxでは通常WebMになります。

追跡の修正ができるトラッキング、本格的なテレストレーション、H.264のMP4書き出しが必要なら、デスクトップアプリをお使いください。どちらも同じメンバーシップでご利用いただけます。

動画分析とスクリーンショット注釈の使い分け

DrawTacticsには、静止画向けのスクリーンショット注釈ツールもあります。試合のスクリーンショットをアップロードし、矢印や図形を描いて、画像として書き出せます。セットプレーの図解や、ひとつの瞬間を切り取った分析に向いています。スクリーンショットツールには、実際の試合の立ち位置を2Dの戦術図に落とし込むAIによる選手検出機能もあります。

動画分析は、そこに「時間」が加わります。映像が流れ、フリーズフレームのシーンで止まり、また動き出す。追跡した選手のマーカーはプレーの間ずっと付いていきます。静止した図解や練習の計画にはスクリーンショットを、ゴール、プレスの連動、トランジション、選手の動きには動画分析を使いましょう。

実践例:失点シーンを振り返る

先週末の試合映像を、デスクトップアプリの新しいプロジェクトに取り込みます。失点した場面までシークします。その数秒前で一時停止し、4バックにマーカーを置いてラインでつなぎ、失点の瞬間まで追跡します。選手が交差してマーカーがずれたところは修正しておきます。相手FWが裏へ抜け出す動きを始めた瞬間にフリーズフレームのシーンを追加し、抜け出しの動きに矢印、消すべきだったスペースにゾーン、そして「ラインが高すぎる、ボールにプレッシャーなし」とテキストを入れます。シーンを数秒間表示するように設定してプレビューし、守備側の3分の1に切り取ってMP4を書き出せば、火曜日の練習でそのまま見せられます。

試合映像の分析を始めましょう

Mac・Windows(Windows版はベータ版)向けのデスクトップ版動画分析は、DrawTacticsのメンバーシップ(月額£5.99または年額£47.99)に含まれています。ブラウザ版ツールやそのほかのDrawTacticsツールも一緒にご利用いただけます。

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まとめ

試合映像には答えが映っていますが、見る人がそれに気づくには手助けが必要です。サッカー動画分析ソフトは、「何が起きたか」と「何を理解してほしいか」の間を埋めてくれます。フリーズフレームでプレーを止め、追跡マーカーで動きと陣形を見せ、矢印・ゾーン・テキストで視線を導きます。

DrawTacticsのデスクトップアプリなら、映像の取り込み、描き込み(テレストレーション)、選手トラッキング、フリーズフレームのシーン、MP4の書き出しまでを、ひとつの保存されたプロジェクトで完結でき、処理はお使いのパソコン上で行われます。インストール不要で手軽に注釈を入れたいときは、ブラウザ版も引き続き使えます。どちらもひとつのメンバーシップでご利用いただけます。